等級ごとの状態のイメージ

障害年金の等級は、障害者手帳の等級とは別に、国民年金法・厚生年金保険法の政令および「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて判断されます。おおまかな状態像は次のとおりです。

障害年金の等級ごとの状態像
等級基本的な考え方状態のイメージ
1級 他人の介助を受けなければ、ほとんど自分の身のまわりのことができない程度 身体機能の障害・長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を自ら弁ずることを不能にさせる程度。入院・在宅で活動範囲がベッド周辺に限られる状態など。
2級 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活が著しく制限される程度 家庭内の軽い活動はできても、それ以上の活動はできない、または行うことを制限されている状態。活動範囲が家屋内に限られる程度。労働により収入を得ることが困難。
3級
(障害厚生年金のみ)
労働が著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度 働くことはできるが、就労時間・業務内容に大きな制約がある状態。人工関節・ペースメーカー装着などで一定の制限が残るケースも含まれます。
障害手当金
(一時金)
3級より軽いが、労働に制限を受ける程度の障害が残った場合 初診日から5年以内に傷病が治り、3級に至らない程度の障害が残ったときに、一時金として支給されます。
ポイント:1級は「2級の状態の約2倍の重さ」ではなく、介助の必要性という質的な違いで区分されています。また、複数の障害がある場合は併合認定により上位等級になることもあります。

障害基礎年金の金額

障害基礎年金は等級ごとの定額です。以下は令和7年度(2025年度)の目安額です(年度ごとに改定されます)。

障害基礎年金の金額(令和7年度目安)
等級年額月額換算
1級約 1,039,600円約 86,600円
2級約 831,700円約 69,300円
3級障害基礎年金に3級はありません

※1級は2級の1.25倍で計算されます。金額は昭和31年4月2日以後生まれの方の額で、それ以前に生まれた方は若干異なります。

障害厚生年金の金額と計算方法

障害厚生年金は、これまでの厚生年金加入期間平均標準報酬額(給与・賞与の平均)に応じて計算されるため、人によって金額が大きく異なります。

障害厚生年金の計算式
等級障害厚生年金の額障害基礎年金の併給
1級報酬比例の年金額 × 1.251級の障害基礎年金あり
2級報酬比例の年金額2級の障害基礎年金あり
3級報酬比例の年金額(最低保障額 約623,800円/年)なし(障害厚生年金のみ)
障害手当金報酬比例の年金額 × 2(一時金/最低保障額 約1,247,600円)なし

加入期間が短くても不利にならない仕組み

障害厚生年金の計算では、厚生年金の加入月数が300月(25年)未満の場合、300月とみなして計算されます。若くして障害を負った方が極端に不利にならないよう配慮された仕組みです。

1・2級なら「2階建て」で受け取れます:初診日が厚生年金加入中であれば、1級・2級では障害厚生年金と障害基礎年金の両方を受給できます。たとえば2級で報酬比例部分が年60万円の方なら、約831,700円+約600,000円=年間約143万円が目安になります。

子の加算・配偶者加給年金

子の加算と配偶者加給年金
種類対象金額(年額の目安)
子の加算
(障害基礎年金)
18歳到達年度の末日までの子/20歳未満で障害等級1・2級の子 2人目まで各 約239,300円
3人目以降 各 約79,800円
配偶者加給年金
(障害厚生年金1・2級)
65歳未満で、生計を維持されている配偶者(年収850万円未満) 約239,300円

お子さんが2人いる2級の方であれば、障害基礎年金約831,700円+加算約478,600円=年間約131万円が目安となります。加算の対象になるかは戸籍・住民票などで確認が必要です。

精神の障害の判定のしかた

うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害などの精神の障害は、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づいて判定されます。診断書に記載される次の2つの指標が中心になります。

① 日常生活能力の判定(7項目・4段階)

  • 適切な食事
  • 身辺の清潔保持
  • 金銭管理と買い物
  • 通院と服薬
  • 他人との意思伝達および対人関係
  • 身辺の安全保持および危機対応
  • 社会性(役所や病院での手続き等)

それぞれ「できる/自発的にできるが援助が必要/援助があればできる/できない」の4段階で評価され、その平均値が算出されます。

② 日常生活能力の程度(5段階)

「(1)日常生活は普通にできる」から「(5)身のまわりのこともほとんどできない」までの5段階で評価されます。

この①の平均値と②の組み合わせによって、目安となる等級が導かれます(例:平均3.0以上かつ程度(3)以上なら2級の目安)。そのうえで、就労状況・服薬状況・入院歴・家族の援助状況などを総合的に判断して等級が決まります。

だからこそ書類が重要です:診察室では「調子はどうですか」「まあ何とか」で終わってしまうことも多く、実際の生活の困難さが診断書に反映されないケースが少なくありません。当事務所では、ご本人・ご家族から具体的な生活状況を丁寧に伺い、それを主治医に伝わる形で整理してから診断書を依頼します。

等級判断でつまずきやすい点

  • 就労していると軽く見られやすい:特に精神の障害では、就労の事実だけで軽く判断されないよう、勤務時間・休職歴・職場の配慮・欠勤の頻度などを具体的に示す必要があります。
  • 家族の援助が「できている」と誤解される:家族が代わりに行っていることは「援助があればできる」であり、「本人ができる」ではありません。この違いを書類で明確にすることが大切です。
  • 複数の傷病がある:それぞれが単独では等級に届かなくても、併合認定により上位等級になることがあります。
  • 症状に波がある:診断書は特定の日の状態を記載しますが、日や時期による変動がある場合は申立書で補足する必要があります。
ご自身の見込額を試算します。

初診日と加入履歴が分かれば、おおよその受給額をお伝えできます。無料相談フォームまたは099-254-5880までお気軽にご連絡ください。